横山研に興味をもっていただきありがとうございます。横山研は、大きな分野としてはデータ科学・データ工学に属する研究室で、国内の学会で言うと情報処理学会 データベースシステム研究会、電子情報通信学会 データ工学研究専門委員会、日本データベース学会などを主戦場としています。
横山研では以下のキーワードに興味を持つ研究志向の学生を募集しています。
- ソーシャルビッグデータ:横山研ではTwitterの日本語と英語の全量データにアクセス可能です
- 第五世代移動体通信網(5G):横山研には研究室内に独自のL5Gアンテナが有ります
上記のキーワードに絡み以下の技術を研究しています。
- 地理・時空間情報分析アルゴリズム:密度クラスタリンク、最短経路探索等の基礎的なアルゴリズムを研究します。
- 深層学習を用いたビッグデータ分析:ソーシャルビッグデータ分析に深層学習を利用し、ビッグデータが内包する知見を可視化する事を目指します。
- 5Gを利用した大規模センサデータ分析:5Gの高速・高信頼・多接続性を最大限利用した分散統合センサ分析技術の実現を目指します。
- 5Gで懸念されるプライバシー侵害を低減する技術:5G時代のサイバーセキュリティーリスクを回避するための認証技術について研究します。
- 観光等に寄与する応用研究:地理情報の応用研究はそのまま観光分野に資する実用システムとなり得ます。
また、研究室の雰囲気は次の様なタイプの学生に合っているかもしれません。
- めんどくさがり屋なスーパーハカー
- 10億件のデータが目の前に現れると燃える(萌える?)タイプの学生
- どんなデータでも骨の髄まで吸いつくすように対峙するコツコツタイプの学生
すでにそのようなキャラクターに当てはまっていなくても、ちょっとでも「そうなりたい」と思った方。ぜひ、横山研で一緒に研究しましょう!
横山研に入るには
内部生で横山研に所属するには、2つの方法があります。まずは3年次に情報科学ゼミナールで横山研を志望する方法。そして4年次の卒研配属時に横山研を志望する方法です。3年次と4年次の配属はそれぞれ独立して判断されるので、3年生の時に横山研に配属されたからといって、4年次にも必ず配属されるかといったら、そうでは無いので気を付けてください。逆に、横山研を気に入らなかったら4年次には別の研究室を志望する事もできます。とはいえ、例年3年次から引き続き卒研配属も横山研を選んでくれる人が殆どです。
最終的には4年次で横山研に配属されるかが重要です。配属はGPAで決定しますので、高いGPAを取っている人が研究室配属で有利です。ただし研究室配属には『隔年現象』というものがあり、配属が難しかった翌年は、学生が尻込みするためか倍率は低くなり、結果として入りやすくなるというような事はあるようです。ただGPAは公開される性質の数値ではないため、配属決定前に学生間での心理戦があるみたいですので、GPAがそれほど高くなくても、その心理戦を勝ち抜いて配属されたという例もあるようです。(もっともCOVID-19でだいぶ配属方法が変わりましたので、心理戦的要素が少なくなりつつあるようです)
そもそもGPAが高いからといって実装や研究ができるかというと、そうではないので、私自身はGPAはあまり考慮せず、多様な学生に来てもらいたいと考えています。ただ高いGPAには、大学院入試の筆記試験免除になりやすいという大きな利点があります。横山研では過去、殆ど全ての学生が大学院進学を希望しています。大学院入試の際に、筆記試験免除であれば面接のみで合否が決まります。これは非常に大きなアドバンテージです。情報科学域の大学院入試は、例年、留学生も含めて他大からの進学組も多く受験するため、それなりの倍率になっています。そのため筆記試験込みでの受験は、現状では『必ず受かる』というタイプの試験ではなくなってきています。
筆記試験免除にならなかったとしても、TOEICの点数が高ければ、筆記試験が有利になります。外部英語試験のスコアはそのまま大学院入試の「英語」として換算されます。これは、入試より遥か前に「専門科目」「英語」の2つある入試科目のうち1つを受験できるという事を意味し、しかも複数回受験でき、もっとも高い点数を提出する事ができます。院試をパスするのにどれくらいの点数が必要かは分かりませんが、横山研に属している学生のTOEICの点数は700点以上が多く、最高で800点 台の後半がいます。
横山研での生活
前任校である静岡大学時代も含め、どういう訳か横山研は研究室に入り浸る学生が多いようです。幸いな事にこれまで一度も「学生がもっと研究室に来るようにしないと」と悩んだ事はありません。もっとも、研究室で研究に没頭しているかというと、そうでも無いようでゲームをしていたり、寝てたりと皆さん色々です。ただそういう「遊び」の時間も含めて研究室の滞在時間が長ければ長い程、研究成果も上がる傾向にあります。このような状況ですのでコアタイムはこれまでに設定したことがありません。自由な時間に来て自由な時間に帰る、自分のスケジュールを自分で決定しつつも成果を上げる事は、大学生・大学院生時代に学ぶべき重要なスキルと考えています。
ですので、なるべく学生が快適に研究室に居る時間を過ごせるような環境づくりは特に留意しています。まずは椅子。椅子は研究活動でもっとも重要なアイテムです。学生室にはハーマンミラー社のアーロンチェアやセイルチェアがあります。また、学生の机は大きな芝生を囲う円卓(形は四角ですが・・・)になっており、他の研究室メンバーとの意思疎通が常にしやすい設計になっています。もちろん冷蔵庫・電子レンジなどもあります。建物の設計上、シンクが無いのが欠点です・・・。またフルカラー3Dプリンタやカッティングプロッタ、B0サイズも印刷できる大判プリンタ等、何か作りたいと思った時に、すぐにプロトタイプを作れる出力機器類も揃えています。
横山研の研究について
横山研の多くの研究課題はデータ科学の分野に属していますが、内容的には自然言語処理や画像処理を活用しています。では、自然言語処理の研究室や画像処理の研究室と何が違うのでしょうか。それらの研究室が自然言語処理技術や画像処理技術そのものを進化/深化させる活動をしているのに対して、データ科学のスタンスとしては、自然言語処理技術や画像処理技術は、あくまで活用するツールの一つという位置づけで、色々なツールを組み合わせて、大きなデータから知見の発見という主目標を達成する事を目指します。そういう意味ではレイヤが異なっていると言えます。
また横山研究室の特徴としては地理情報・時空間情報の分析アルゴリズムの研究が盛んです。例えば密度クラスタリングや最短経路探索等は、すでに多くの技術がありますが古典的な手法が多く、必ずしもソーシャルビッグデータのような新しいデータ構造に効率的に対応できるとは限りません。横山研では、そのような基礎的なアルゴリズムの刷新も目指しています。プログラミングコンテスト等が好きな学生には向いているかもしれません。また画像中に写っている物体の位置推定の研究もやっています。これは深層学習(ディープラーニング)を用いた手法がベースとなり、新しもの好きの学生に向いているかもしれません。
またデータに関する研究室ですので、膨大な実データを分析する課題も多く扱っています。例えば皆さんはアルゴリズムの講義や演習でソートのアルゴリズムについて効率の良いアルゴリズムと悪いアルゴリズムを習ったと思います。ところがデータが10億件あったらどうでしょうか?一番効率の良いソートアルゴリズムを使ったとしても、ソートにものすごい時間がかかります。では検索はどうでしょうか?当然、単純なシングルスレッドによる線形探索をしたら、貴方の卒論の一年間は殆どが待ち時間になってしまいます。このように、データが大きいという事は、とにかくあらゆる物事を困難にします。ですが5G時代、そしてIoTのように様々な機器がインターネットに接続され爆発的なデータ量が生み出される世界では、大きなデータ扱う技術は、皆さんが社会にでてからも重要なスキルになります。横山研でぜひそのスキルを身に着けて社会に飛び立ってください。
横山研での研究内容をもう少し詳しく知りたい人は以下の研究概要紹介のページをご覧ください。
また、よく聞かれる項目とその回答を以下のページでまとめていますのでご覧ください。
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